最近読んだ、タイに関する本。
「タイのしきたり」というめこん出版社から出ている本です。
※電子書籍はなく、紙の本のみです
タイで暮らしていると、人と仏教との関わり方や、文化、マナーについて疑問に思うことが出てきます。
これまで数年住んできて、タイ人から直接聞いて知ったこと、「タイでは~らしい」と聞いたことがあったものの、本を読んでクリアになったことがあり、基本的なことを解説してくれている本でした。
著者はどんな人?
中島マリンさんというタイ日ハーフの方が書かれた本です。
高校卒業までをタイで過ごされたそう。
このタイ文字本の作者の方というと、ご存知の方も多いかも?
私もこの本でタイ文字の基礎を学びましたが、分かりやすかったです。(だいぶ忘れた部分もあるけど)
本の概要
本は4章で構成されています。
- 第1章:信仰と日常生活
- 第2章:マナー(日常生活、食事、伝統行事、タブー)
- 第3章:家庭行事(誕生、出家、結婚式、葬儀etc)
- 第4章:年間行事
タイ人と日本人の考え方の違いについて書かれた、特に1,2章がおもしろいと思いました。
あと、全体を通してよく出てくるのは、ブン(善徳)の話。あのタンブンのブンです。
タイの人にとって、ブンを積むことが生活や考え方に深くかかわっているのがよく分かります。
感想
ここからは個人的な感想ですが、そうだったのか!と思ったことを主に2つ。
1つは改名に関すること。
法律上、改名するには「正当な理由」が必要とされていますが、「運気向上のための改名」「繁栄のための改名」は正当な事由と認められます。
・・・
戸籍謄本とIDカードがあれば、戸籍のある役所で一日で手続きを完了させることができます。手数料は25バーツです。
苗字も50バーツ出せば変更できます。
タイでは改名はそんなに難しくないと聞いたことはあったけど、こんな運気向上のためにサクっと改名できるなんて…。
私自身、以前改名を少し考えたことがあったので、ちょっとタイが羨ましいと思ってしまいました。
もう1つは、報徳善堂や義徳善堂などのボランティア団体についての話。
これは、遺体回収や交通事故などの負傷者の病院搬送、災害地のレスキューなどをする団体です。
私は実際に彼らが活動しているのを見たことがあって、交通事故があった直後に、警察や救急車よりも先に来て事故にあった人を助けていました。
信じられないかもしれませんが、登録されているボランティアたちは無報酬で、ブンを積むためだけに働いているのです。
タイでは亡くなった人のために善行を施すことは多大なブンが積まれる行為だと信じられています。
こういった行為がブンと深く関わっているのを知って、なるほどなと思いました。
約10年前に出版されているので、その後変わっている部分もあると思いますが、タイの文化について概略を知れます。
パートナーがタイ人という方には知っていることがほとんどかもしれませんが、そうでない人、タイに住み始めたばかりという人には興味深い1冊だと思います。
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